ご入所者様との会話の中で、「体内時計」の話題が出たことから、気になって調べてみました。人間の体の中に体内時計と言われる時を刻む仕組みがあることはお馴染みだと思います。しかし、近年発見された「時計遺伝子」という言葉は、それほど耳馴染みのある言葉ではないのではないでしょうか。この「時計遺伝子」とはどんなものか、簡単に言うと「体内時計をコントロールするたんぱく質を作る遺伝子」のことで、私達がこれまで口にしていた「体内時計」という言葉の根拠となる様な発見でした。この遺伝子の同定を理由に、ノーベル医学・生理学賞が授与されたそうなので、世界的なすごい発見だったことが伺い知れますよね。
近年の研究を受けて、改めて「体内時計」はどんな働きをしているのでしょうか?それは、体内の時間軸を調整する働きを担っています。脳の「視交叉上核」に「メイン」の体内時計が、体中(脳、心臓、胃、腸、皮膚、血液、筋肉etc…)に個別で動く「サブ」の体内時計があり、「サブ」時計が「メイン」時計に合わせる形で、1日単位で調整(リセット)してバランスを保っているとのことです。
このような「体内時計」のバランスが狂うと、睡眠障害やうつ病、肥満や糖尿病等の代謝障害、免疫・アレルギー疾患、さらに癌の発症にもつながることが分かってきました。それでは、私達はどのような事に気をつけていけば良いのでしょうか?
そこで、目安となるような資料をみつけてきました!
体内時計を狂わせないための生活上の工夫10カ条
1.朝の光は推奨しますが、夜の光(スマホ、PC)は夜型化を助長するのでやめましょう。
2.朝食をしっかり摂り、末梢時計(副時計)に朝を教えましょう。
3.休日もできるだけ起床時刻を守り、平日と2時間以上ずれないようにしましょう。
4.カフェインを含むお茶やコーヒーは、就寝4時間前までに済ませましょう。
5.朝から夕までの運動は推奨しますが、夜遅い運動は夜型化と入眠障害になりやすいのでやめましょう。
6.昼寝をするなら午後3時までに、長くても30分以内にしましょう。
7.明る過ぎる寝室は良くないので、影響が弱い赤色系の電球を利用するようにしましょう。
8.寝酒は深い睡眠を得られにくいのでやめましょう。
9.食事はできるだけ就寝2時間前までに済ませましょう。
10.夕食が遅くなるときは、18時前に分食(主食)を摂り、夜遅い食事は軽い低カロリー食にしましょう。
参考資料:睡眠障害の診療・治療ガイドライン研究会2002.健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省、平成26年)
上記を参考に、体内時計のバランスを崩さない生活を意識してみませんか?