より良いリハビリを提供する為の「統計」について

「統計」と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。身近なものに、公的機関が物価の変動を測定したもの(下の図)や、学力テスト等があります。何となく「景気が良い/悪い」、「学力向上/低下」したもの(主観的)ではなく、誰がいつみても変わらない結果(客観的)を求めるための技術であると考えています。
 これをリハビリに当てはめてみると、リハビリを提供していて「動きが良くなった気がする」、「ボンヤリしなくなってきた」etc…の感覚的な結果を、どこの誰がみても客観的な事実として判断できる方法が「統計」です。この統計による科学的処理によって、私達が日々実施しているリハビリの有効性、リハビリを行う意味が保証されることになります。
 例えば、脳卒中治療ガイドライン2021の回復期リハ診療の推奨文として、「歩行障害が軽度の患者に対して,有酸素運動や筋力増強訓練を行うことが勧められる」とあります。感覚的には「そりゃそうだ」といった内容ですが、統計的手法によりデータを処理していくと、上記推奨文は「推奨グレードA、エビデンスレベル高」と高い推奨が得られています。その結果に基いたリハビリを実施していくことで、感覚頼りのリハビリではなく、データに基づいた客観的なリハビリが実施できる、という算段です。
 2025年11月に全国介護老人保健施設大会があり、機能訓練室も参加します。私達が日頃行っている訓練に焦点をあて、効果測定に統計処理を行う予定です。
 後日当ブログにてご報告できればと考えています。
例:消費者物価指数(総務省統計局より)
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